「将来宇宙人とコミュニケーションが取れるようになったとき、宇宙で共通の考え方・知識は何になるか?」というテーマはとても興味深いと感じたのだが、果たして期待に応えてくれたか?
だいぶ前に読んだ本 (2024年秋ごろだったか?) で、たしか特に平積みにされていたか特集棚で紹介されていたかで、手に取った。
タイトル:宇宙人と出会う前に読む本
著者:高水裕一
出版社:ブルーバックス
この宇宙で共通の知識・考え方を探ろうというテーマと視点は新鮮
この宇宙にいるからにはどこでも共通する「4つの力」、元素などをベースにしたコミュニケーションを考えようということや、太陽が1つの太陽系ばかりではないよ、という『三体』を想起させる視点も興味深かった。そのなかでも、地球からは動物の形で見えている星座が相手の宇宙人の星からはどのように見えているかを紹介し合うことで、互いの位置関係を理解しようとする発想は新鮮だった。
設定や言葉選びが世界観を損なっていて読者が冷める
一方、全体にわたって読書を冷めさせる・しらけさせる表現や物語が散在していることで、本を読んでいく勢いにブレーキをかけている。このためにそこまでオススメできない本になっている。
最たるは「宇宙人偏差値」という表現。科学的な議論を進めるはずが、このような軽薄な言葉を選ぶことが内容の重みを下げてしまっている。地球どころか、日本特有の序列の仕方とも言える「偏差値」でもって、宇宙共通の考え方を述べようとしていることが甚だ矛盾しており、「あちゃー…」と感じずにはいられない。同様に「将来とある場所で開催されている宇宙人との交流の場」という設定が雑で甘く、世界観の作り込みに説得力が欠けていた。